好きな「東野圭吾さんの小説」10選

こんにちは。

本日は、こちらのお題にのってみようと思います。

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

あくまで「私が好きな」東野圭吾さんの小説ということで選んだ作品です。

また番号が振ってあるのは、好きな順位という意味ではありません。

 

 

1「容疑者xの献身」

 

 

東野圭吾さんの小説でお勧めは?と聞かれたら、こちらの作品をあげています。

石神が罪を犯した靖子の為に企てた完全犯罪が想像もできないようなものだったし、いくら靖子に想いを寄せているからってそこまでするのか…と絶句します。

人はそこまで誰かを愛し献身的になれるものなのか。

また、金を無心し暴力を振るう元夫の富樫を殺害せずにいられる方法など、あったのだろうか。

逃げても逃げても場所を突き止められ執拗に追いかけてきて、警察に相談しても埒が明かない状況で、どうやって逃げられるのだろう。

いったい誰が靖子を責められるのか。

グイグイ読み進めてしまう面白さもありながら、登場人物それぞれの葛藤も丁寧に描かれていて、しかも読後しばらく現実に戻れないほどの余韻も残る。

本当に素晴らしい作品だと思います。

 

2「祈りの幕が下りる時

 

 

複雑に絡まった謎の数々が地道な捜査によって解き明かされ事件の真相が明らかになるにつれ、日本橋を囲む12の橋の名の意味を知った時には、悲しみが強くなりやりきれない思いになりました。

犯罪を肯定するわけにはいきませんが、罪を犯してしまった側に感情移入してしまう自分を止められませんでした。

加賀恭一郎のシリーズはこれが最終章だそうですが、彼の過去や一家に何があったのか並行して描かれているのも、シリーズ愛好者にとっては興味深いところです。

ミステリーとしても人間ドラマとしても面白く読みごたえがありました。

 

3「麒麟の翼」

 

 

刃物で胸を刺された被害者が瀕死の状態で日本橋まで移動して息絶える。

そんなショッキングな幕開けで始まる事件捜査の展開にページをめくる手が止まりませんでした。

犯罪被害者とその家族、容疑者とその家族双方の心理が丁寧に描かれ、事件報道のあり方に対しても問題提起されています。

結末は思わぬ真相にたどり着いてやりきれなくなりましたが、日本橋で息絶えた被害者の思いが届いたのかなと思うと救いもあるのかなとも感じました。

 

4「赤い指」

 

 

少女の遺体が住宅街で発見され、ある平凡な一家が捜査上に浮かびます。

過保護すぎる母親と、甘やかされて育ち何事も自分の思い通りにならないと気が済まない息子。

子育ては妻に丸投げ。同居している認知症の母の介護は、姑と折り合いの悪い妻には任せられず、嫁いだ妹に丸投げ。自分は仕事と女に逃げる父親。

この家族の闇の犠牲になった少女が憐れでたまりません。

ネタバレになるので詳細は控えますが、「赤い指」で明らかになったもう一つの真相が想像もできないもので驚き、同時に切なかったです。

現代の家族にまつわる様々な問題が、浮き彫りになっているのが印象的でした。

 

5「悪意」

 

 

人気作家が仕事場で殺害され、第一発見者はその妻と昔ながらの友人でした。

その友人が容疑者として逮捕されますが、その動機がなかなか見えてきません。

本書は事件のトリックよりも「なぜ犯行を行ったか」の解明に重きを置かれているのが新鮮でした。

これが事件の全容なのかなと思って読んでいたら、終盤になって全容と思っていたものが一気に覆されて、真相が明らかになるのが面白かったです。

それに伴い真の動機も明らかに…「犯罪は完璧な動機に基づいて引き起こされるもの」という自分の中の常識が音を立てて崩れていきました。

 

6「ダイイング・アイ」

 

 

主人公の雨村慎介は何者かに襲われ、頭部に重傷を負い記憶を失ってしまいます。

そして慎介を襲った犯人は、彼が交通事故で死なせた女性の夫だったことが判明。

それを知った彼が事故のことを調べ始めると、周囲の人達が不穏な動きを見せ始めます。

誰が黒幕なのか推理する暇もないほど展開がめまぐるしく、ホラーのような面もあり、怖いもの見たさにどんどん読めてしまいます。

また、交通事故の加害者に対する量刑の軽さには愕然とするし、登場人物が保身に走るあまり被害者への罪の意識が薄いことに複雑な思いになりました。

ミステリーとしての面白さと共に、こうした社会問題を提起されているところに好感が持てました。

 

7「マスカレード・ナイト」

 

 

練馬のマンションの一室で若い女性の絞殺体が発見され、その犯人がホテル・コルテシア東京のカウントダウンパーティーに現れるという密告状が警察に届きます。

本書は、ミステリーとお仕事小説を一冊で楽しめるお得感があります。

山岸尚美がコンシェルジュとして客の無理難題に対応していく様子と、事件や潜入捜査の展開が並行して進んでいくのが面白いです。

それにしても、コンシェルジュの多岐にわたる仕事内容には驚きました。

小説だから大げさに書いてあるのでは?と思ったのですが、ネットで調べてみると実際に山岸が対応したのと似たような要望もあると知り、頭の下がる思いがしました。

 

8「鳥人計画」

 

 

日本のスキージャンプ界のホープが何者かによって殺害され、犯人は彼のコーチであることが早々と判明します。

そして拘留された犯人が密告者を推理するのですが、彼の推理や警察の捜査の過程で密告者や犯行の動機が解明され、スキージャンプ界の闇が明るみになるのかと思っていたら、まさかの結末が待っていて驚きました!

事件の真相やその背景にあるものが明らかになると、科学技術に頼り過ぎることや、スポーツ界における勝利至上主義に警鐘を鳴らしている印象を持ちました。

また私はスキージャンプに詳しくないので、スキーについての豆知識や裏話が所々に盛り込まれているのも興味深かったです。

 

9「宿命」

 

 

主人公の刑事が捜査することになったのは、学生時代のライバルで現在は医師になった男性が深く関わっている殺人事件。

しかもその医師は刑事の初恋の女性と結婚しており、事件の背景にはその女性の父も関わっています。

事件の犯人やトリックそのものより、事件に関わっている登場人物の関係性や因縁が物語の中心になっているのが、他の作品と違っていて面白いと思いました。

そして結末で明かされる刑事と医師の「宿命」にアッと驚かされます。

 

10「疾風ロンド」

 

 

「白銀ジャック」「雪煙チェイス」との三部作で、本書は二作目です。

大学の研究所から「拡散したら人々が大量死する威力を持つ生物兵器」が盗まれ、生物兵器と引き換えに3億円を要求し大学を脅してきた犯人が事故死してしまいます。

本書では生物兵器の回収を命じられた研究員の奮闘を描いていますが、隠し場所を知っている犯人は事故死していて、手掛かりは犯人が遺したテディベアの写真だけ、しかも隠してあるのはスキー場のとある地点という雲をつかむようなお話。

主人公が慣れないスキーでゲレンデを滑りながら生物兵器を探したり、事件が二転三転し翻弄される様子は、まるで映画を見ているような臨場感があって面白かったです。

この臨場感は「白銀ジャック」と「雪煙チェイス」でも楽しめるので、こちらの二作品もお勧めです。